こんにちは。
浮村です。
神戸は台風10号が過ぎて、今日は暑さが和らいだ感じでした。
宮下は今日からお盆明けで通常業務に戻っています。
みなさんはお盆休み、いかがお過ごしでしたか?
9月着工予定の打合せでした。
間取り含めて、電気配線など打合せが進んでいっています。
今日は屋根に壁にと大人気のガルバリウム鋼鈑のお話をシェアします。
金属屋根の歴史は腐食(サビ)との戦い
金属屋根は最先端なイメージをお持ちかもしれません。
ですが、日本では金属屋根は江戸時代から使われていて、現在も社寺仏閣などで多く使われています。
曲げることが出来るので、様々な形の屋根形状にも対応したことも大きな理由です。
ですが、当時は銅板葺きで、非常に高価な屋根材でした。
一般的な住宅にも普及しはじめたのは明治維新以降のようです。
その時の主な材料は銅・鉛・亜鉛それにブリキ・トタンなどでした。
施工性が良いのが特徴なのですが、金属である以上、酸化による腐食を止められず、サビて穴が開いてしまうことも多かったです。
建物でもトタン屋根で錆びて穴が開いているのを見たことがあるかもしれませんが、腐食が原因で穴が開いてしまいました。
溶融亜鉛メッキ鋼板の誕生
トタンが多く使われるようになり、腐食の問題解決を目指しました。
1837年にクロホードという人が溶融亜鉛法の最初の特許を取得して以来、大量に生産されるようになり、今日見られる各種表面処理鋼板の原型はこのときに出来上がりました。
この発明をきっかけにして、今日のガルバリウム鋼板の出来上がりにつながっています。
現在はガルバリウム鋼板が主流ですが、ステンレスやアルミニウム鋼板、ガルバリウム鋼板の塗料の進化で金属屋根はノーメンテナンスの時代も遠くありません。
暑い・冷たい・雨音がする!でも耐震性能には有利?
ガルバリウム鋼板を始めとした金属屋根は2つの素材と比較されることが多いです。
1つ目はカラーベスト(コロニアル葺き)です。
2つ目は瓦葺きです。
屋根材は太陽の光や雨・風を一番多く受ける部材です。
耐候性という外部からの影響に耐える力を最も求められている材料になります。
戸建て住宅の2階が暑いと言われるのは、太陽の光を多く受けていることも大きいです。
材料が薄いと雨が当たる音がうるさいと言われることもあります。
簡単なイメージ表は以下です。
◎>○>△で苦手になっていきます。
カラーベスト ガルバリウム鋼板 和瓦
価 格 ◎ ○ △
耐候性 △ ○ ◎
断熱性 △ △ ◎
遮音性 △ △ ◎
メンテ △ ◎ ◎
耐震性 軽い屋根 軽い屋根 重い屋根
耐震性ですが、瓦だから悪い!というわけではありません。
建築基準法では、軽い屋根と重い屋根という分け方で構造計算の数値が変わってきます。
宮下は全棟許容応力度計算をしておりますので、数値は違いますが、耐震性能は、計算による安全性を確認していますので、お好きな材料をお選びいただいています。
ちなみに
カラーベスト(コロニアル葺き)は宮下では採用しません。
カラーベストは屋根材では価格が一番安価であることだけが強みです。
ですが、10年20年経った時のメンテナンスが必要ですし、最終的には金属屋根(カバー工法)で重ね葺きするリフォームをすることが多いです。
そうなると、トータルで考えた際に、費用は一番掛かることが多いです。なので、宮下では採用していません。
ミヤシタの家では、瓦とガルバリウム鋼板を標準仕様としてお選びいただいています。
通気層と断熱層が解決
先程の表から見ると、瓦とガルバリウム鋼板だと、遮音性や断熱性から瓦の方が良いじゃないか?と思いますよね。
実際、屋根葺きの下地になる野地板までで考えるよ表の通りになります。
ですが、宮下は野地板の室内側で屋根断熱と棟換気による通気層を標準仕様にしています。
屋根材~野地板に掛けて熱された空気を屋根断熱のセルロースファイバーが熱の侵入を防ぎ、通気層が熱された空気を棟換気を通して外部に出ていく為、従来の木の家に比べても2階における外気の影響を少なくしています。
雨音に関しても断熱層含めた気密性の高さから、雨の日でも雨音が室内まで響かないです。
※窓を開けたり、外に出た際は雨が屋根を叩く雨音は聞こえます。
気になる方は実際の木の家を見学して体感してみてくださいね。
いろいろ使えるガルバリウム鋼鈑
ガルバリウム鋼板は屋根に使う場合でも葺き方の違いや外壁にも使われています。
ミヤシタの家では、屋根は立平葺きがほとんどです。
他には一文字葺きという社寺仏閣で使われる葺き方や、それに似た段葺き(横葺き)もお選びいただいています。
立平葺きはTHE・ガルバリウム鋼板というイメージの葺き方です。流れの長い屋根にはスッキリと見えておすすめです。
屋根勾配(傾き)も緩くして施工できるので、そういった場合もお選びいただいています。
和風の雰囲気が欲しい場合は段葺きをしている場合もあります。ただ、屋根勾配(傾き)はゆるくできないので、注意が必要です。
外壁に使う場合は角波板(断熱材と一体になったもの)を使います。塗り壁と違ってスタイリッシュに仕上がるので、和風というよりはかっこいい木の家になってきます。
焼杉や塗り壁とも雰囲気が合うので、ハイブリッドにして考えることもできるので、これから木の家を考えるときの屋根や外壁選びで参考にしてもらえたらと思います。
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