脱・便利は心地よいがふえる?

脱・便利

「便利な家=暮らしやすい家、とは限らない。」

家づくりの話を聞いていると、

「これ、自動なんです」
「スマホで操作できます」
「家事動線が短くなっています」
「収納もたっぷりあります」

そんな“便利”が、本当にたくさんあります。

確かに、便利です。
私も便利なものは好きです(笑)。

便利になったことで、家事がラクになったり、時間に余裕ができたり。
暮らしを助けてくれるものは、上手に取り入れたい。

でも一方で、便利にすることだけが「暮らしやすさ」ではないのかもしれません。

今回は、便利なものを減らそうという話ではなく、
便利なものと、少しの手間。
その両方とうまく付き合う家づくり
について考えてみたいと思います。

01|家は、どんどん便利になっている

照明は自動でつく。
玄関の鍵はスマホで開く。
食器は食洗機が洗ってくれて、洗濯物は乾燥機までおまかせ。

外からエアコンをつけたり、お風呂を沸かしたりすることもできます。

ほんの少し前なら「そんなことまで?」と思っていたことが、今では当たり前になりつつあります。

家事の負担が減ったり、時間に余裕ができたり。

便利になることで、暮らしがラクになることは、もちろん大切なことです。

だからこそ、便利なものを取り入れるときには、

「何ができるか」だけではなく、
「自分たちの暮らしに、どんなふうに役立ってくれるか」

そんな視点で選んでみてもいいのかもしれません。

02|「便利」と「心地いい」の同居

朝、カーテンを開ける。

窓を開けて、外の空気を入れる。

木の建具に手をかける。

洗濯物を干しながら、今日の天気を感じる。

庭に出て、ちょっと草木を見る。

どれも、便利にしようと思えば、もっと省くことができる動作なのかもしれません。

でも私は、こういう小さな動作って、案外嫌いじゃありません。

窓を開けたときに、

「あ、今日は涼しいな」

と気づく。

庭に出たら、

「花が咲いてる」

と気づく。

家の中で少し動いたり、何かに触れたりすることで、季節や時間を感じる。

暮らすって、そういうことも含まれているんじゃないかなと思うんです。

だから、全部を便利にするのではなく、

便利にしてラクになるところと、あえて残しておきたいこと。

その両方があることで、暮らしがちょうどよくなることもあると思います。

03|“手間をなくす”だけが、家づくりじゃない

家づくりでは「家事ラク」という言葉をよく聞きます。

もちろん、毎日のことだから、ラクにできるところはラクなほうがいい。

でも、

家事の時間をできるだけ短くすることと、
家事をしている時間そのものが心地いいこと。

このふたつは、少し違うような気がします。

例えば、洗濯物を干す場所。

「最短距離で行ける」だけではなく、
そこに光が入って気持ちよかったり、
窓から庭が見えたり。

キッチンだって、
数歩少なく動けることだけではなく、
料理をしながら家族の気配を感じられたり、
好きな木に囲まれていたり。

時間を短くすることも大切。

でも、その時間を心地よく過ごせることも大切。

どちらか一方ではなく、
ラクできるところはラクにして、楽しみたい時間は楽しむ。

そんな考え方で家をつくっていくのも、ひとつの方法だと思います。

04|便利なものは、ちゃんと使う

ここまで書くと、

「じゃあ食洗機も乾燥機もいらないの?」

となりそうですが、全然そんなことはありません(笑)。

便利なものは、使えばいい。

助けてもらえるところは、どんどん助けてもらえばいいと思っています。

大切なのは、

「便利だから付ける」のか、
「自分たちの暮らしに必要だから付ける」のか。

一度考えてみること。

誰かにとって便利な設備が、自分にも必要とは限りません。

反対に、誰かには必要なくても、
自分には「これがあると助かる」というものもあります。

家族の人数も、仕事も、生活する時間も、好きなことも違う。

だからこそ、家に取り入れるものも、それぞれ違っていい。

そんなふうに必要なものを選んでいくことは、結果的にコストの見直しにもつながります。

「便利だから」ではなく、
「わが家には、これがあると心地いい」

そんな基準で選んでみるのも、いいのかもしれません。

05|家づくりは「足す」だけじゃない


家づくりを始めると、

これも欲しい。
あれも便利そう。
ここにも収納が欲しい。

ついつい「足す」方向へ考えてしまいます。

もちろん、足すことで暮らしやすくなるものもたくさんあります。

でも、

何を付けるか。
何を減らすか。
そして、何を残すか。

そこまで考えてみると、家づくりはちょっと違って見えてくる気がします。

便利な設備を選ぶことも。
あえて少し手間を残すことも。

どちらが正解ということではありません。

大切なのは、

自分たちが、どんな毎日を過ごしたいのか。

そこから考えて、必要なものを選んでいくこと。

便利なものを全部手放す「脱・便利」ではなく、

便利なものに任せるところは任せる。
自分で楽しみたいところは、自分でやってみる。

そんなふうに、便利と手間がちょうどよく共存する暮らし。

ミヤシタの家を見ながら、そんな家づくりもいいな、と考えています。

「便利な家」ではなく、
「自分たちにとって、ちょうどいい家」。

そのちょうどよさは、家族によってきっと違います。

さて。

あなたの暮らしの中で、
「これは便利になったら嬉しい」と思うことと、
「これは残しておきたいな」と思うことは、何でしょう?

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