その外壁、10年後も好きですか?神戸「宮下の木の家」と考える経年美の素材選び(塗り壁/杉板/ガルバリウム)

家づくりを考え始めると、間取りやインテリアなど、中のことに意識が向きがちかもしれません。ですが、道行く人がふと足を止めて見惚れるような、そして何より、ご家族が毎日家に帰るたびに「いい家だな」と心から思えるような、そんな住まいにとって「外壁」は非常に大切な要素です。

こんにちは、神戸市北区で木の家づくりを手がける株式会社宮下、浮村晋也です。

私たちは、家が完成した瞬間が最も美しいのではなく、ご家族の暮らしと共に時間と記憶を重ね、味わいを深めていく住まいこそが、本当に価値のある家だと考えています。

今回は、「10年後、20年後も、もっと好きになる家」を叶えるための外壁選びについて。私たちが信頼を寄せる「塗り壁」「杉板張り」「ガルバリウム鋼板」という3つの素材を、具体的な仕様やこだわりと共にご紹介します。

1. 左官の手仕事が光る「塗り壁」

人の手で仕上げられる塗り壁は、一枚として同じものがない、温かみのある表情が魅力です。私たちが標準的にご提案するのは、高い耐久性と豊かな表現力を持つ2つの塗り壁材です。

一つは、スチライト工業さんの「テール仕上げ」。引きずったような独特のテクスチャーが、光の当たり方で美しい陰影を生み出します。もう一つは、高千穂シラスさんの「スーパーシラスそとん壁W」。100%自然素材ならではの優しい風合いと、シラスが持つ調湿・消臭効果も期待できる高機能な素材です。

どちらも色褪せしにくい「無機物」の壁。歳月と共に色合いが変わる「木」と、色は変わらずとも趣を増す「塗り壁」。二つの素材が織りなす経年変化は、何物にも代えがたい味わいとなります。

2. 多彩な表情を見せる「杉板張り」

木の家の象徴ともいえる杉板の外壁。私たちは、地産地消の観点からも「兵庫県産杉材」にこだわっています。あえて製材したままの「ラフ面仕上げ」とすることで、木の質感がより際立ち、力強い印象を与えます。

張り方一つで家の表情は大きく変わります。鎧のように板を重ねていく「下見板張り(よろい張り)」は、横張りと縦張りの2種類をご提案。また、板の継ぎ目を細い木材で押さえる「押え縁張り」は、壁面にリズミカルな線を描き出します。

さらに、お客様の好みによって二つの仕上げからお選びいただけます。一つは、年月と共に美しいシルバーグレーへと変化していく過程を楽しむ「無塗装」


もう一つは、自然由来の塗料であるオスモカラー社の「ウッドステインプロテクター」で、あえて色を付ける「塗装仕上げ」です。

3. 木の魅力を引き立てる「ガルバリウム鋼板」

シャープでモダンな印象のガルバリウム鋼板。私たちは、一般的な既製品の金属サイディングではなく、「角波」や「大波」といった、一枚の鋼板に表情を付けた規格のSGLを外壁材として施工しています。

この選択には理由があります。私たちは躯体の断熱・気密施工を非常に重要視しており、壁内部の性能をしっかりと確保しています。だからこそ、外壁材はシンプルで意匠性の高い一枚板のSGLを選ぶことができ、デザイン性を高めながら外壁全体のコストダウンにも繋げられるのです。

汚れにくく、変化しにくいガルバリウム鋼板の凛とした佇まいが、隣り合う木の経年変化をよりドラマチックに引き立ててくれます。

4. プロが語る、永く美しく住まうためのメンテナンス

家を建てた後、お客様が気になることの一つがメンテナンスだと思います。 私たちは、「メンテナンスフリー」という言葉は使いません。なぜなら、どんな素材であっても、風雨や紫外線に晒される外壁は、必ず時間と共に変化するからです。

大切なのは、その素材の特性を正しく理解し、適切な時期に、適切な手をかけてあげること。それは、家という大切な家族の一員と、永く健やかに付き合っていくための対話のようなものだと考えています。

例えば塗り壁のクラック(ひび割れ)や、杉板の塗装メンテナンスなど、それぞれの特性に応じた付き合い方があります。私たちは家をお引き渡しした後も、お客様の暮らしに寄り添い、長期的な視点でのサポートを大切にしています。ご不安な点は、いつでもご相談ください。

まとめ:一緒に、あなただけの木の家を創りましょう

株式会社宮下の家づくりは、ただ単純に素材を選ぶのではなく、その先にある「ご家族の暮らしと、流れる時間」を見つめています。

外壁選びひとつにも、私たちのそんな想いが込められています。今回ご紹介した外壁の話から、木の家の内装や温熱環境にも興味が湧いた方は、ぜひこちらの記事もご覧になってみてください。

スタッフブログ【木の家には自然素材)】※昔のブログです。

そして、建材の世界では新しい商品が次々と生まれています。だからこそ私たちは、今回ご紹介した素材に固執しているわけではありません。もしあなたが「こんな素材を使ってみたい」「この風合いに惚れ込んだ」というものがあれば、ぜひ私たちにご相談ください。

私たちもまだ知らない素晴らしい素材との出会いを楽しみながら、あなただけの特別な木の家を、一緒に創り上げていきたいと願っています。

「もっと詳しく聞いてみたい」「実際の素材の質感をこの目で見てみたい」 そう思っていただけましたら、ぜひ一度、私たちに会いに来てください。家づくりのプロであるスタッフが、あなたの家づくりへの想いに真摯に耳を傾け、お話を伺うことを楽しみにしています。

素材を見に行く/話を聞いてみたい※問合せフォームです。